米ドルが通貨安競争でトップに立てる見込みは薄い。中国人民元は先週、10年ぶりに1ドル=7元の節目を超える元安・ドル高水準をつけた。元相場は実質的に中国人民銀行(中央銀行)が管理しているため、投資家の間では、米国による追加関税の影響を相殺するため、中国が元安誘導しているとの見方が広がっている。為替トレーダーは警戒している。仮に中国以外の国、とりわけ米国が対抗して自国通貨の押し下げを目指せば、破滅的な通貨安戦争が勃発する恐れがある。主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は今年に入り1.2%上昇しており、ドナルド・トランプ米大統領はドル相場を押し下げる措置を講じる構えをちらつかせている。