恐らく経営のプロに教えを請うまでもなく、従業員を満足させたければ、高い報酬を払うのがよいと考えるのが筋だ。だがドラッカー研究所の企業効率性に関する尺度に基づくわれわれの最新調査で、この自明の理には、もう少し微妙な要素があることがわかった。特に賃金が低い会社の従業員は、雇用主がぎりぎりの資金繰りをしている場合、ある程度大目に見ようと考えるようだ。逆に、従業員にまともな賃金を払えるはずの会社が支払いをケチると、自ら墓穴を掘ってしまう。ドラッカー研究所の統計モデルは、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と共同で作成する年間ランキング「経営トップ250」に用いられる。米経営学者の故ピーター・ドラッカー氏の洞察に基づき、企業経営の「効率性」を測定するものだ。効率性とは、ドラッカー氏の言葉を借りると「きちんと正しい物事を行うこと」と定義される。