そもそも、ビッグデータやプライバシーを含む個人情報を、ビジネスの打ち出の小槌のように考えるのも時代遅れだ。AppleにしろGoogleにしろ、いまは必要のない個人情報の収集はリスクとして、集めない方向にシフトしている。また、大手がデータを独占するというが、中小企業がマクロな購買動向やマーケットデータを自分で収集して分析することは不可能である。自社顧客についての分析なら、現状の顧客管理やPOSデータ、経営データで事足りるし、マクロな市場動向や統計分析は、買ってきたほうが早い。

ビジネスモデルの違うプラットフォームを同一視する危険

 GAFAは一般に、Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字をとったものとされる。類語にBAT(Baidu、Alibaba、Tencent)という中国のビッグ3を示す用語もある。どれも、ネットやテクノロジーをベースに成長してきた企業という共通項はあるが、ビジネスモデルは各社ばらばらだ。国や企業が経営戦略を立てるのに、GAFAとひとまとめにするのは愚かだ。

 Google(Baidu)は検索エンジンをベースに広告ビジネスをコアとする企業。Amazon(Alibaba)はECサイトでありコアはリテールである。Facebook(Tencent)はソーシャルメディアというメディアを軸とした広告モデルだ。Appleはれっきとした製造メーカーであり、ビジネスの軸はハードウェアの製造販売だ。

 これらをひとまとめにして、追いつけ追い越せといったところで、なにを目指すのかによって戦略がまったく異なる。たとえば、Googleは個人情報がビジネスの柱となっており、その扱いと規制対応のバランスに苦労しているが、Appleは端末やハードウェアの販売が最優先であり、顧客の情報を他社に利用させるメリットはない。EUや規制当局に積極的にプライバシー保護をアピールして、GoogleやFacebookとの違いを主張している。

 GAFAがなぜ現状のような存在に至ったのか、そのカラクリを細部まで紐解いて初めて戦略が描ける。Googleやアマゾンクラスのビジネスになると、ベストプラクティスとして成功事例だけマネをしても意味はない。彼らの成功までの軌跡を忠実に再現して同じ取り組みや投資を行ったとしても、社会やビジネス環境が異なるのでうまくいかない。