たとえば、国民民主党の篠原孝衆院議員は、自身のブログの中で、「原氏が水産庁を呼びつけ、脅かし上げて規制改革とやらを迫る形で、特定の企業への利便を広げて……自分の懐を肥やしている」などと、なぜか毎日新聞以上に踏み込んで、原氏に対して虚偽の中傷をしています。

 原氏はすでに毎日新聞を訴えていることに加え、今後、篠原議員に対しても名誉毀損の訴訟を起こすようですが、毎日新聞が特区関係者の反論を一切無視して疑惑を騒いだ結果として、国会議員まで中傷を始めるというのは、あまりに酷すぎます。報道の自由の濫用を超え、報道の暴力といえる域に入っているのではないでしょうか。

抗議文に対応しない限り
取材にはもう応じられない

 第二に、毎日新聞は特区関係者や内閣府の反論を無視する形で内閣府に対して質問を続けているので、それに回答するために、内閣府や関係者は事実確認などの膨大な作業に多くの時間を割くことになっています。その結果として、現実に内閣府や関係者の通常の業務運営に大きな支障が生じているのです。

 そこで、特区の関係者の側は、8月13日に毎日新聞に対して、7月17日付けの抗議文に対応しない限りは本件に関する取材にはもう応じていられないという趣旨の、第2回目の抗議声明を送付しました。

 この抗議声明を受け、毎日新聞がどう対応するかを見守りたいと思います。どう対応するかによって、毎日新聞が報道の自由を正しく実践する会社なのか、または社運を懸けた疑惑追及のためには報道の自由の濫用も厭わない会社であるのかが、明確にわかるのではないでしょうか。

(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)