K-shaped economy:
K字型経済

ニューヨーク株式相場が最高値を更新するなど、表面的には順調に見える米国経済。だが、「K字型経済(K-shaped economy)」化が進み、深刻な問題を抱えている。
K字型経済とは、高所得者層と低所得者層の格差が極度に広がっている状況を指す。アルファベットのKの右側のように、上向きに上っていく層と下向きに沈んでいく層で二極化(bifurcated)するイメージだ。
高所得者層は株式や住宅などの資産価格の高騰で豊かになる一方で、低所得者層はインフレの直撃を受けてじり貧状態に置かれている――これが米国の現実だ。
ここにきてK字型経済に対する警鐘が相次いでいる。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は12月10日の記者会見で「明らかにK字型化が進行中(clearly a thing)」とした上で、「持続可能だとは思えない」との見方を示した。
K字型経済というフレーズの生みの親は、米ウィリアム・アンド・メアリー大学のピーター・アトウォーター教授だ。英ガーディアン紙にこうコメントしている。
Those at the top appear to have everything – not only everything, but have it in oversupply. Meanwhile, those at the bottom feel like they’re experiencing scarcity in everything that matters – affordability of food, healthcare, education, job opportunity.(高所得者層は欲しいだけ何でも手に入る。恵まれ過ぎだ。これに対し、低所得者層は普通に生きていくのもやっと。日々の食費を切り詰めなければならない。そればかりか、必要な医療や教育へアクセスもできないし、まともな仕事も見つけられない。)







