「ちょっとウチ(わが社)も動画(ライブ配信)をやってみようか」
こう言われたときに、担当者が知っておくと良いこととは?

動画・配信を拡散させるための考え方とやり方を、
インフルエンサーマーケティングの第一人者であり実践者でもある
『バズる動画・ライブ配信 確実に拡散するしくみ』の著者が伝授します。

今回は企業PR・マーケティング担当の方から一番よく聞かれる質問、
「どうすればバズる動画がつくれるのか」について、お伝えします。
(編集/和田史子、撮影/増元幸司)

どうすればバズる動画をつくれるのか企業PR・マーケティング担当の方から一番よく聞かれる質問は「どうすればバズる動画がつくれるのか」

「絶対にバズる動画」ないが、
「絶対にバズらない動画」はある

飯田祐基さん飯田祐基(いいだ・ゆうき)
株式会社ライバー 取締役会長 ファウンダー
学生時代からネットラジオやニコニコ生放送の配信者として人気を集める。大学中退後、インフルエンサーマーケティングのパイオニアとして様々な企業チャンネルの運営、番組・動画制作を経験。22歳で株式会社テクサ(現・株式会社ライバー)を設立し、インフルエンサーを起用した効果的なプロモーションと動画・ライブ配信広告を専門に、次世代のインターネットメディアを牽引していく。書籍『バズる動画・ライブ配信 確実に拡散するしくみ』が初の著書となる。

「どうすればバズる動画をつくれますか?」
  これもよく質問されます。
  情報が爆発的に拡散する現象を、よく「バズる」といいます。

  これはターゲット層に確実に広がっていく一般的な拡散と違って、いつどのように起こるか、予測することがとてもむずかしい現象です(ジャスティン・ビーバーに動画を取り上げてもらったことで、世界中に「PPAP」が知られることになったピコ太郎の例が有名)。

  でも、「バズらせる方法があるなら知りたい」という欲求は、クリエイターならだれしもあるでしょう。バズを意識することはすべてのコンテンツづくりにおいて大切なことでもあるので、先に述べておきたいと思います。

  この世に確実にバズを起こせる人はいません。もしそんなことができたら、間違いなく大金持ちになれるでしょう。
  では、「動画がバズるかどうかは運次第」なのかというと、そういうわけでもありません。バズらせるためのノウハウがまったく存在しないわけではないのです。
  ノウハウにしたがって動画をつくれば、バズる可能性が生じます。

  それはほんのわずかな可能性かもしれませんが、バズる可能性が0%か、0.1%でもあるのかというのは大きな差です。ほんの少しでも可能性をつくっておけば、量産することで、いつかバズるかもしれないからです。バズる可能性がある施策を繰り返しおこなうことが大切なのです。

  また、「絶対にバズる動画」はありませんが、その反対に「絶対にバズらない動画」は世の中にたくさんあります。私の感覚で言えば、世の中の95%の動画は、残念ながらバズることがないと思います。

  例えば、人気のゲーム実況にしてみても、ただプレイ動画を垂れ流しているだけ、実況者がぼそぼそとしゃべっているだけの動画。こうした動画がバズることはまずないでしょう。

  私はよく、「数字はノウハウとお金で担保できる。バズは確率論だ」と言っています。
  再生回数などの数字は、お金をかければ確実に伸ばせます。
(その動画や配信を見てもらうための)広告を出せばいいのです。
  しかし、元の10倍、20倍の再生回数を叩き出せるかどうかは不明です。
  もはや確率論の領域です。ただし、確実にバズらせることはできないにせよ、バズる確率をゼロにしてはいけません
  その可能性を秘めた動画をつくり続けることが大切です。

  1回だけならバズを意識しなくても起こすことがあるかもしれませんが、複数回バズを起こしている人は、絶えず「バズるポイント」を見つけ出そうと努力しています