中国広東省深圳市と香港をつなぐ10カ所以上の境界検問所では、毎日75万人が往来している。ここは、中国本土と香港の富と経済が相互依存していることを象徴する場所だ。だが、足元で争点となっている政治問題については、双方の間に深い隔たりが存在する。過去11週間にわたり香港を揺るがしている抗議デモを巡り、深圳と香港では画面を真っ二つに分けたかのように、市民の間で全く異なる受け止め方が広がっている。土砂降りの雨の中、数万人の香港市民による行進が市内を埋め尽くしていた18日、隣の深圳では、他の本土地域と同様、約2300キロメートル離れた首都・北京の当局によって世論が支配されている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がここ数日、深圳で取材した数十人の市民のうち、香港のデモを支持した人はほとんどいない。容疑者の本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案の完全撤回など、デモ隊の要求についてもほとんど知らなかった。