>>(上)より続く

「虎穴に入らずんば――」
妻と向き合い自分と戦う夫

 これまで同窓会の件について触れないようにしている夫の様子を中心に紹介してきたが、あえて同窓会について尋ねる夫もいる。

「『(会の)写真を見せて』と夫。集合写真を見せると、

『この中に元カレいる?』

『いるよ』

『どの人?』

 で、教えると、『おおー……。珍しい髪型してるね』とコメント」(Fさん/35歳女性)

 Fさん夫のこの感じが、実に共感できる。

 妻の元カレには興味があるが「あくまで普通の好奇心の範疇(はんちゅう)だから別にそんな気になってるワケじゃねーし。なんなら、自分から聞けるくらいライトな感じの気になり方だから余裕で聞けるんだし。別に男の嫉妬とかそんな大昔の元カレに全然するわけないから、マジで妻にもちゃんとオレが嫉妬してないって思ってほしいし余裕だからオレ」などと中学生じみた青い言い訳を頭の中に並べたて、「別に全然オレ、ヘーキだしマジで」と心に念を押していざ元カレの画像を見ると、やはりなにか妙な気分になってフリーズしてしまったが、しかしこの場を次に進めるために何かしらのコメントを、ネガティブでなくかつ自分が負けたわけでもないから、それなりに優位を保てて極力ポジティブなコメントを――!。