筆頭株主であるヤフーと対立しているオフィス用品大手のアスクル。8月2日の株主総会では、創業社長だった岩田彰一郎氏の再任にヤフーが反対し、吉岡晃COO(最高執行責任者)が社長に昇格した。新社長はヤフーとどう対峙するのか、直撃した。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

アスクル新社長が激白!ヤフーとの離別に迷いなしよしおか・あきら/1968年1月生まれ、51歳。92年青学大理工卒。2001年にアスクルに入社し、12年に取締役。8月2日の株主総会で、創業社長の岩田彰一郎氏の再任が否決されて後継社長に就任 Photo by Toshiaki Usami

──前社長を解任した筆頭株主のヤフーに、後継社長としてどう向き合っていきますか。

 ヤフーとの資本提携は解消したい。その考えは、社長が代わっても全く変わることはありません。

 こんな形で社長を代えられて、いつまた同じことが起こるか分からないし、経営陣や社員のしこりは消えない。それにヤフーは独立社外取締役まで3人全員解任したので、会社が壊れてしまった。社長が新しくなったからといって次の日から仲良くしましょうということになるはずがない。

──ソフトバンクの宮内謙社長は、記者会見で「アスクルは本当に資本提携の解消を求めているのでしょうか」と述べましたが。

 われわれは本当に解消したい。そのスタンスで間違いありません。ただ、ヤフーとすぐに資本提携を解消しようとすれば、ヤフーが保有するアスクル株の売り渡しを求める権利(売り渡し請求権)を行使することになります。今の段階でそれに踏み切れば、先方は拒否すると思うので、間違いなく法廷闘争になるでしょう。それを望んでいるわけではないので、慎重に事を進めていきます。

──ヤフーと話し合いはできそうですか。

 早速、アスクルの社外取締役でもある小澤隆生・ヤフー専務執行役から協議の提案をいただいたので、話し合いを始めます。最初のテーマは独立社外取締役の選任。資本提携を解消するにも、独立した役員からガバナンスの意見を求めて進めるのが最良の方法ですから。