社会全体が「合成の誤謬」に陥っている

 ある意味では、社会全体が「合成の誤謬」に陥っているような気がします。

 人間が知りたいのは、個々の枝葉の形もですけれど、幹がどうなっているか、森の形がどうなっているかは、とても大事なことだと思います。

 その意味で、混迷の現在、哲学と宗教を理解することはとても大事だと思います。
 われわれの先祖が世界をどのように理解し、どう解釈しようとしてきたかを勉強することの中に、今の細分化した社会の中で全体を見ることの大事さをもう一度考えるヒントがあると思うからです。

 そのように考えて、哲学と宗教を全部丸ごと書いてみるのは、現代的な意義があるのではと思い、この本を書き始めた次第です。

(次回につづく)