――まるで本当のチームのようです。佳久さん演じる里村のポジションはスクラムハーフ。いいシーンが撮れるように自主トレを欠かさないそうですね。

 僕は選手だった頃、ボールを持って走るウィングというポジションでした。ドラマのオーディションを受ける時にマネージャーから「スクラムハーフはできる?」と聞かれました。「…できます」と答えはしたんですが、スクラムハーフはキック、パスがきちんとできないと成り立たないポジション。ウィングとは異なる技量が必要なので、演じ始めた頃は福澤監督にも「もっとパスをうまくなれ!」とプレッシャーをかけられました(笑)。

 そこで撮影前の練習で、スクラムハーフの経験者に場面ごとの動き方を教えてもらいました。でもそれだけでは足りなくって、佐々一役の(林家)たま平たちと数名で自主練を積みました。練習には元選手の共演者も来てくれて、本当にありがたかったです。

 誰が見ても違和感のない動きがしたいと思っているので、家に帰ってからも、一緒に住んでいる兄とパスの練習をしています。だから現場で「うまくなってるね」と言われると嬉しくなります。

――どんなふうに作品を見てほしいですか?

 福澤監督はラグビーシーンにこだわりがあるので、僕たちもそれに応えるべく、意見を出し合いながら撮影を進めています。プライドを持って演じているので、自分たちのシーンを見るのを皆さんと同じように、僕たちも放送日まで楽しみにしています。

 第1話では、相手のタックルに突き上げられ、地面に落とされる場面がありました。1度やられるだけでも痛いのですが、いろいろな角度から撮るために何度も、何度も、地面に落とされました。相手の肩がみぞおちに入って呼吸ができなくなったりしながらも、「大丈夫です」と立ち上がり、またタックルされる。あれは本当にきつかったです(笑)。皆が真剣にラグビーシーンに挑んでいるので、ドラマを見てくださっている方が「ラグビーって面白そう」と思って、つぎは実際の試合を見に行ってもらえるようになったら嬉しいですね。

※本連載は雑誌『TV station』との連動企画です。
写真提供:TBS

未来につながる、パスがある。
大手自動車メーカー・トキワ自動車のエリート社員だった君嶋隼人は、とある大型買収案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズのゼネラルマネージャーを兼務することに。
かつて強豪として鳴らしたアストロズも、いまは成績不振に喘ぎ、鳴かず飛ばず。巨額の赤字を垂れ流していた。
アストロズを再生せよ――――。
ラグビーに関して何の知識も経験もない、ズブの素人である君嶋が、お荷物社会人ラグビーチームの再建に挑む。

『ノーサイド・ゲーム』

池井戸潤
ダイヤモンド社 刊
定 価:本体1600円+税 
発売日:2019年6月13日