写真はイメージです Photo:PIXTA
妻が高熱で寝込んでいても、夫はいつも通り「メシはまだ?」。妻は不満を口にせず、それに応え続ける。カウンセリングの現場で繰り返し見られるのは、配慮できない側と、我慢し続ける側が噛み合ってしまう構造だ。悪意のない夫婦は、なぜ静かに壊れていくのか。※本稿は、家族問題カウンセラーの山脇由貴子『夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た絶望と変化』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。記事中の事例はすべて仮名であり、事実を元にしたフィクションです。
夫婦仲は悪くないのに
体調への気遣いはナシ
妻である綾美さん(40歳)の悩みは、夫の隆之さん(35歳)があまりにも体調に配慮してくれない事。
「私の体調が悪い時に全く配慮してくれないんです。風邪をひいて、39度近い熱があって寝てるのに『から揚げ食べたい』『シチュー食べたい』って」
「そういう時、綾美さんはどうされるんですか?」
私がそう尋ねると、綾美さんは少し黙った後、
「作ってあげちゃいます」
と答えました。「そんなの放っておけばいいのに」と多くの人は思うでしょう。
「さすがに材料は買って来てくれるんですけど。買って来たものを『はい』って渡されると仕方なく……」
でも、隆之さんは料理が出来ない訳ではないそう。
「なぜ、自分で作らないんですか?」
私が隆之さんに尋ねると、
「それは……妻が作った方が美味しいし、妻の作ったものを食べたいんです。わりと元気そうにも見えたし」
隆之さんはくったくなく答えました。
普段は夫婦仲は良く、喧嘩もないそうです。







