進むも地獄、退くも地獄、
八方塞がりの習近平はどう動くのか

 習近平に残された選択肢は3つあります。

A. 香港市民の要求を認め、逃亡犯条例を撤回させる。
B. このまま放置して、デモ隊が疲れるのを待つ。
C. 武力制圧する。

 Aは共産党が香港市民に屈することを意味します。共産党は情報統制を敷いていますが、情報は確実に中国人民に伝わります。内陸部の重慶ではゴミ焼却場の建設に反対する数万人規模のデモが起こり、武警と衝突していますが、このような反政府運動に「香港の勝利」が飛び火するでしょう。

 共産党政権の内部でも、「習近平の弱腰」に対する不満が沸騰し、政権基盤が危うくなります。「チャイナセブン」と呼ばれる政治局常務委員7名のうち、香港を統括する韓正常務委員は、習近平と対立してきた江沢民派の人物。むしろ香港問題の長期化を喜んでいる節もあります。

 Bは2014年の雨傘運動の時にとった手法です。運動の長期化で経済的損失が出てきたため、香港市民の多くが運動に背を向けたのです。これを教訓として今回の学生たちは「短期決戦」を図っているように見えます。