トヨタ完全子会社の
ダイハツの役割はどうなる?

 今回、トヨタとスズキが資本提携することで、スズキのトヨタグループ入りが明確になった。

 そこで、問題となるのは、現在、トヨタの完全子会社になっているダイハツ工業の位置づけと役割がどうなるかである。

 周知のとおり、両社は強力なライバル関係にある。国内で軽トップシェアを競い、海外でもアジアでの小型車(エントリーカー)で競い合うという似通った企業体質だ。ダイハツは、トヨタの新興国カンパニーの主体としての役割を担ってきた。

 スズキはインドで圧倒的なシェアを確立しており、一方のダイハツはインドネシアやマレーシアで強く、アジアの新興国における力関係は分散している。

 両社は今後、協調と競争でグループ力を高めることになるのだろうか。

 いずれにしても、トヨタグループ入りを明確にさせたスズキの資本提携は、1981年の米ゼネラルモーターズ(GM)との資本提携、2009年の独フォルクスワーゲン(VW)との包括資本提携に続く3度目となる。

 1981年の米GMとの資本提携では、当時の米ビッグ3であるとともに世界トップメーカーだったGMに対し、鈴木修スズキ社長(当時)が「GMが鯨ならスズキは蚊のようなもの。でも蚊は鯨に飲み込まれずに高く舞い上がれる」という名言で、資本提携会見を締めくくったのを思い起こす。

 この名言を裏付けるかのようにスズキは、巨鯨GMに飲み込まれずむしろGMグループの小型車を担う位置づけを確立して以来28年間、良好な提携関係を続けた。

 しかし、世界のビッグ1で20世紀の自動車産業をリードした米GMは21世紀に移って業績が低迷、リーマンショックが大打撃となって米政府の救済を仰ぐことになり、2009年にスズキとの資本提携を解消した。スズキはGMとの資本提携解消に伴い、直ちに独VWとの包括資本提携を09年末に発表した。