個人にとって“鉄板”の運用商品は
「個人向け国債変動10」

 機関投資家の運用担当者が言うように、個人の場合、「個人向け国債変動金利型10年満期」(以下「個人向け国債変動10」)を買うことができる点は恵まれている。

 個人向け国債変動10の長所は主に以下の三つだ。

(1)国債なので銀行よりも安全である
(2)変動金利型かつ元本保証なので将来の金利上昇リスクに強い
(3)最低利率0.05%はメガバンクの定期預金金利0.01%よりも有利

 10年満期だが、1年経過すると直近の過去2回分の金利を支払うことで元本で換金できるので、「1年持てば元本割れしない」といえる。10年満期だが、ある程度の換金性があるので、当面使わないお金を預けておく先として優れている。

 三つ挙げた長所の(1)は1000万円を超える銀行預金をどうするかという「ペイオフ対策」に有効だし、(2)は長期金利が急上昇して長期国債の価格が暴落する「国債暴落」リスクに対して強い、という属性だ。そのため、厳密にベストではないかもしれないが「リスクを取りたくない場合の無難な運用対象」として、個人向け国債変動10は際立っている。

 四つ目の長所として、銀行(ゆうちょ銀行を含む)や証券会社のいずれでも買える利便性を挙げていいかとも思うのだが、金融機関の窓口にこの商品を買いに行くと、高い確率で投資信託や貯蓄性保険などの別の商品(99%以上がダメな商品のはずである)を勧められる。そのため、決して別の商品を買わないことを決意して買いに行ってほしい(インターネット証券で買うと、余計なセールスにさらされずに済む)。

 ちなみに、銀行の普通預金も個人にとって悪いお金の置き場ではない。今のところ普通預金の金利はマイナスにはなっていないし、気を付けていれば手数料を取られる状況にもなっていない。定期預金など他の運用手段との利回りの差が極小になっているので(経済学風には「機会費用」が小さい)、「1人、1行、1000万円まで」の預金保険の保護範囲内であれば、相対的に優れたお金の置き場所だ。