リビングで言い争う夫婦写真はイメージです Photo:PIXTA

生理前になると、妻はどうしても怒りが抑えられず、夫に強く当たり、あとで深く後悔する。そんな状態が何年も続く夫婦。夫は「仕方ないことだ」と受け止め、妻も自分を責め続ける。カウンセリングを受けるほど追い詰められた夫婦のその後を追う。※本稿は、家族問題カウンセラーの山脇由貴子『夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た絶望と変化』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。記事中の事例はすべて仮名であり、事実を元にしたフィクションです。

生理前はなぜかイライラ
月の半分は離婚を考える妻

「私、月の半分は真剣に離婚を考えます」

 弘子さん(35歳)は最初に言いました。横で健一さん(35歳)は驚いた様子もなく聞いています。

「たまらなく夫にイライラするんです。夫は穏やかで優しい人で、私を怒らせる事はないんですけど」

 それならなぜ、と私が尋ねると、

「なぜか、イライラするんです。顔を見るだけでも。生理前というのもあるとは思うんですけど」

 PMS(月経前症候群)がひどくて、その時期に喧嘩が増えるという相談は他の夫婦でもあります。

「でも、それだけが原因じゃない気がして。どうして離婚まで考えてしまうのか、自分でもよく分からないんです」

 生理が終わった後は、仲の良い夫婦に戻るそうです。

「ご主人から見ても、弘子さんは生理前、かなりイライラしていますか?」

 健一さんは頷き、

「何をしても怒ってます。ずっと怒られてるので、正直、その間は妻の事が怖いです。叩かれたりもしますし」

 いつまでたっても慣れなくて、と健一さんは付け加えました。

「私も、怒ってばかりで疲れるんですけど、夫が怖がってる様子を見ると余計にイライラして」

 弘子さんの生い立ちを聞く前に、健一さんへの不満を改めて尋ねました。