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損得感情や命令以外の方法で、人に行動を促す「仕掛学」を研究する松村真宏氏は、街なかにある仕掛けを見つける第一歩は、特別な発想力ではなく、小さな引っかかりを手放さないことだと語る。日常がさらに面白くなる仕掛けに気づくコツとは?※本稿は、大阪大学大学院経済学研究科教授の松村真宏『なぜ人は穴があると覗いてしまうのか 人を“その気”にさせる仕掛学入門』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
街なかの仕掛けを見つけるには
その原理を理解するのが先決
仕掛学の講義は、受講生自らが街に埋もれている仕掛けを発掘し、仕掛けへの意識を高めることを目指しています。このとき重要なのが、仕掛けの原理をしっかり頭に入れておくことです。仕掛けの概念がわからないと、目の前に仕掛けがあっても正しく理解できません。
人の認識は、その人の持つ概念に制約されます。つまり、人が何かを認識できるかどうかは、その人がその対象の概念を理解しているかどうかで異なるのです。
たとえば日本語には「犬」と「タヌキ」という単語がありますが、フランス語には「犬=chien」という単語はあっても「タヌキ」を指す単語はありません。フランスにはもともとタヌキは生息していなかったためです。
20世紀になって毛皮採取のために飼育されるようになり、逃げ出したり捨てられたりしてタヌキが野生化し生息するようになりました。それまでは「タヌキ」という概念はフランス語に存在していませんでした。







