中国の電子商取引大手アリババグループのベトナム事業は昨年、トイレットペーパーで大きな成功を収めるべく計画をとりまとめた。同社のホームグラウンドである中国では、トイレットペーパーはネット購入の人気商品であり、販売量は際立って多い。事情に詳しい関係者によれば、ベトナムでも数十万ドル相当のトイレットペーパーを仕入れ、ネットで格安販売したという。しかし、立ち上がったばかりのベトナムの電子商取引市場は中国とは違った。予想されたほど客が押し寄せることはなく、アリババの東南アジア子会社ラザダが売ったトイレットペーパーは当初計画のわずかにしかならなかったという。アリババは、中国という世界最大のネットショッピング市場を長年にわたり支配してきた。そして、多くの人々は同社が世界の他の市場も制覇すると考えていた。しかし、他の中国の巨大ハイテク企業と同様、アリババは国内の支配的地位を世界的成功に結び付けるのがいかに難しいか思い知らされている。