安倍首相の「勤続疲労」がにじみ出た
内閣改造・党役員人事
9月11日、安倍晋三首相が内閣改造・党役員人事を行った。安倍首相は、「安定と挑戦」の人事だと胸を張ったが、実際は首相が長期政権のさまざまな成果に満足しており、主要な政策はベテランに任せて休みたいというのが「本音」だと思える。安倍首相の「勤続疲労」がにじみ出た人事だといえるのではないだろうか。
主要閣僚の顔ぶれは、相変わらず「お友達」で占められた。まず、麻生太郎副総理・財務相と菅義偉官房長官、二階俊博党幹事長の留任が早々に決まった。安倍政権を支える屋台骨であるが、そろそろ退任してもいい理由が、それぞれにあった。
麻生副総理・財務相は、「森友学園問題」における国有地の格安での売却や公文書の書き換えなど、財務省のさまざまなスキャンダルに対する責任問題があった(本連載第178回)。また、経済政策「アベノミクス」の限界が見えてきた(第163回)。財務相交代で中堅の経済財政通を抜擢し、新たな政策アイディアを導入するという考え方もあったはずだ。