しかしひと口に事実婚といっても形はさまざまあるようで、なんとなく長いこと一緒に暮らしているうちに周りに説明が面倒くさくなって「事実婚していることにしよう」と合意するカップルや、「私たち事実婚します」という契約書を作成して、しかと心構えのうえ臨むカップルもいる。

 であるから、事実婚は確かに法律婚に比べれば異色で「事実婚なる少数派」でひとくくりにされがちなのだが、個々のケースを見ていくと内情は十人十色なので、周りが「事実婚」とだけ聞いて印象を決め付けてしまうのは他の判断の可能性を逸しているもったいないことのような気もする。事実婚には多様性があるのである。

諸外国の事実婚事情
事実婚カップルが多い背景には

 日本ではかような現状の事実婚だが、海外は事実婚が非常に多い。

 厚生労働省が発表している2015年度版の資料(平成27年版厚生労働白書 婚外子割合の比較)によると、2006年時点で婚外子の割合は、

 日本……2.11%
 英国……43.66%
 フランス……49.51%
 ドイツ……29.96%
 スウェーデン……55.47%
 アメリカ……38.50%

 となっている。

 婚外子の割合が高い国にはヨーロッパが多いが、これには事実婚と法律婚に大差がないことや、国民の認識が事実婚に肯定的、あと法律婚に費用と手間がものすごくかかる国が多い、離婚するカップルが多い、離婚するのがすごく面倒な国もある、といったことがその理由であろうと思われる。