一刻も早くラ・リーガ1部の戦いを経験させた方がいい。こうした声が高まる中で、開幕直後にマジョルカへの期限付き移籍が決定。新天地でデビューを果たした直後の今月3日に慌ただしく帰国した久保は、茨城県鹿嶋市内で行われていた日本代表合宿に一日遅れで合流した。

「いろいろとありましたけど、今こうして代表の一員として戦っている、ということがすべてだと思うので。日本代表に選ばれたからには、自分が選ばれた理由というものをピッチの上で見せなければいけないと思っています」

 スペインにおける日々に関して、久保は「それはまたの機会で」と多くを語ろうとしない。ただ、6月以降で「階段を駆け上がった」というメディアからの問いに関しては敏感に反応した。

「階段を駆け上がったというよりは、目まぐるしく環境が変わったと言った方が正しいと思うんですけど。その中でいろいろなチームで、トップレベルの選手たちとサッカーができているのは自分にとってすごくいいことだと思う。学べるものがたくさんあるので、環境が変わっている、ということを逆にプラスにとらえていければいいかなと考えています」

南野、堂安、長友が語る久保の存在感
「タケの成長に焦らされる自分もいる」

 いろいろなチームの中には、もちろん日本代表も含まれる。エルサルバドル戦では南野拓実(ザルツブルク)に代わってトップ下で途中出場し、1トップの大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)、右サイドの堂安律(当時FCフローニンゲン、現PSVアイントホーフェン)と同じ時間を共有した。

「両足でシュートが打てるし、なおかつ高いレベルでゴールを決めるんですよね」

 代表合宿中の練習を締めくくるシュート練習を間近で見た南野は、利き足の左足だけでなく、普段は軸足となる右足にも高精度の技術を搭載する久保に驚かせられた。

「僕としては競争が当たり前だと思うし、若い選手に突き上げられながらポジションを争うことで、チームとしても向上していく。競争の中で勝ち残った選手しか試合に出られないことは、日本代表だけじゃなくて、ザルツブルクでも経験している。ポジションは自分で勝ち取るしかない」

 こう語る南野だけが、刺激を受けたわけではない。2017年5月に韓国で開催された、FIFA・U-20ワールドカップでも右サイドでプレーし、トップ下に入った当時15歳の久保と共演している堂安は「タケ(久保)の存在に感謝したいですね」と、笑顔を浮かべながら久保を歓迎したことがある。

「タケが成長してくれることによって、焦らされる自分もいるので。年下の選手の追い上げというのは自分にとってありがたいし、本当に刺激しかない。生かし、生かされながら、お互いのためじゃなくてチームのためにプラスになるプレーができればいい」