次から次へと追加の事実が報告されており、不祥事の露見パターンとしても相当悪質だ。ここまで報じられたものが不正の全てだとは到底思えないし、事実が十分解明されないと、なぜ不正が起きるのか、不正防止のために何をしたらいいのかを明確にすることができない。

保険の販売再開はせめて
金融庁による検査結果の発表後に

 金融庁が立ち入り検査に入ったのは、9月11日のことだ。日本郵便がかんぽ生命の保険販売を再開するのは、せめて金融庁による検査結果と行政処分の発表を待ってからにするべきだ。

 行政処分は、どのような内容になるのだろうか。一説には、政府が日本郵政グループの大株主であることから、金融庁は厳しい処分を下すことはできないのではないかという推測がある。しかし、もちろんそのようなことがあってはならない。処分内容は、不正な金融商品販売を抑止するに十分なものでなくてはならない。

 不正の質は異なるが、スルガ銀行の不適切な不動産融資に対する処分は、約半年間の不動産向けの新規融資業務の停止だった。

 どちらの不正も意図的で悪質だと言わざるを得ないが、「悪さ」は日本郵便が上だと考えられる。

 スルガ銀行の場合は、貸家への投資をしたいオーナーと不動産業者に対して、信用力が不十分な相手に対しても不正な手続きでローンを実行したことが問題であり、主たる被害者は銀行そのものであり、銀行の株主だった。

 これに対して、日本郵便の金融商品販売の不正は、第一義的な被害者が顧客であり、その数は膨大だ。もちろん、ずさんな経営が引き起こした不祥事によって日本郵政グループ各社の株価が下がっているから、株主も被害者であるといえる面がある。ついでに言うなら、こんな株式を売らされた結果、顧客に損をさせて信用を損なった証券会社の営業マンも間接的な被害者だ。