だが、1ヵ月もしないうちにまたもや血尿。血液検査とエコー検査をした医師は、「膀胱に腫瘍が見えるから、膀胱がんかもしれない。1週間後に、今度は膀胱におしっこをためたまま連れてきて。もし膀胱がんだったら、手術は難しいね。あきらめてもらうしかない」と言った。

 エコー画像を見ると、確かに腫瘍らしい影があり、不安になったA子さんは1週間、泣いて過ごした。

 しかし1週間後に再受診すると、膀胱がんの疑いは消え、血尿も治まり、医師は「なんなんだろうね」と首を傾げた。

 そして1ヵ月がたち、愛犬はまたも血尿を出した。エコー画像をじっくり見た医師は、「これは結石かもしれない。膀胱に小さなツブツブがあるような気がする。でもうちでは、これ以上の検査はできないから、動物高度医療センターを紹介するね。CTを撮ってもらおう」と宣言した。

 エナメル質形成不全を治療した経験から「動物高度医療センターは高額」という認識があるA子さんは慌てて聞いた。

「あの、CT撮影っていくらぐらいになるんですか」

「まあ、大したことないですよ、50万円はしないよ。20万円ぐらいかな」

「えぇっ!そんなに!」

エコー画像の質も
診断もぜんぜん違った

 帰宅し、動物高度医療センターに費用を問い合わせると、CT検査は約16万円、結石の手術は50万円ぐらいだと言う。

 驚いたA子さんは、セカンドオピニオンを求めることにし、近場で、一番評判のいい動物病院を受診してみた。SNSによると「先生は動物の味方で、人間に対してはちょっと怖いけど、腕は確か」「この先生に診てもらったら、もうほかは行く気がしない」とのことだった。待合室には、車で1時間かけて通っている人もいた。

 これまでの経過を一通り説明すると、医師は、愛犬がそこでたまたま漏らしたオシッコをすかさず採尿して検査。エコー検査もしてくれた。これまでのヤギひげ先生とはぜんぜん違う、鮮明で、くっきりとした画像だった。そもそも撮影の角度も、場所も違う。

(あれれ、動物のエコー画像でも、こんなに鮮明に写るのね)

 感心していると、医師は言った。