2017年に改正された刑法は3年後(2020年)に見直しを検討すべきことになっています。そこで、私は以下の点を明確に提言して、改革を実現したいと思っています。

 1.強制性交等罪の暴行・脅迫要件を撤廃し、不同意性交を処罰する。
 2.不同意は「言葉や行為によって、性行為をすることに同意がないことを示した」など、明確な定義を定める。
 3.暴行・脅迫による場合は、NOと言ったかどうかにかかわらず、犯罪として重く処罰する。
 4.準強制性交等罪は心神喪失・抗拒不能の要件に代えて、抵抗ができない事情を明確化する規定を導入する。無意識・睡眠・深刻な恐怖・酩酊・薬物の影響・疾患・心身の障害・畏怖状態、その他、抵抗できない状態に乗じて性交した場合。
 5.地位関係性を利用した性行為の強要を処罰する。

 このほかにも、書籍ではいろいろなことを提言しました。

「性行為には同意が必要」は常識
教育の徹底が必要

――内閣府の調査では、女性の7.8%(13人に1人)、男性の1.5%(67人に1人)が「無理やり性交された経験がある」と答えています。書籍では海外の状況や法律の事例も詳しく紹介されています。日本と比べて、海外にはどんな特徴がありますか。

 海外ではハラスメントやレイプだけでなく、不同意の性行為はすべて「人権侵害」と明確に認識して処罰する国が増えています。人権とは人間にとっての基本的な権利で、自分の体や人生に対する意思決定の自由を持つこと、および、嫌なことを強要されないこと、つまり、自分が自分であるためになくてはならないものです。

 私たちは、この人権を尊重しあわなければなりません。私たちが、いつ誰と、どこで性行為をするかの自由な選択は守られているはずです。それは相手が性行為を理解できない子どもであっても同じで、むしろ、子どもは大人以上に守られるべき存在ですよね。

 性被害の事例で被害者の方と話すと、ほぼ必ず「死ぬ恐怖を味わった」と言います。「引きずり回されて全身傷だらけ、殺されると思った」とそのときの状態をイメージで証言した被害者もいました。

ヒューマンライツ・ナウ、Voice Up Japan、一般社団法人Spring は協働してChange.orgで刑法改正を求める署名を展開。約4万5000人から賛同を得て、今年6月法務大臣に提出
ヒューマンライツ・ナウ、Voice Up Japan、一般社団法人Spring は協働してChange.orgで刑法改正を求める署名を展開。約4万5000人から賛同を得て、今年6月法務大臣に提出