業績向上銀行員が顧客のためにできることは多様化している Photo:PIXTA

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

花形職業から「必要なし」に落ちてしまった
銀行員という仕事

 かつて銀行員といえば、誰もがうらやむ花形の職業だった。

 だが、それも今は昔。近頃は「銀行員は必要ない」とまで言われるようになった。

 金融とITを融合させたフィンテックが台頭、銀行業務にもデジタルによる自動化が瞬く間に広がったからだ。

 実際、銀行における人員と業務の削減は着々と進行している。メガバンクを中核とする三井住友フィナンシャルグループは2017年度からの3年間で5000人弱にあたる業務量の削減、みずほフィナンシャルグループは、2026年度末までに1万9000人の人員削減計画を発表している。
 
 また、大手IT企業が、銀行の強力なライバルとして名乗りを上げている。アマゾンや楽天が数年前から始めている出店者向けの事業資金融資などは、明らかに既存銀行の顧客を奪う打ち手だ。

 さらにフェイスブックは、仮想通貨Libra(リブラ)による金融サービスを、2020年内に立ち上げるといわれている。

 このような状況では、銀行が徐々に衰退し、銀行員という仕事が消滅すると目されるのも、致し方ないのかもしれない。