例えば、サッカー日本代表の試合で、「W杯アジア最終予選・初戦」と素直に書くよりも「日本代表、W杯出場へ決戦」としたほうが、ザッピングの手を止めてくれるだろう。『ヒルナンデス!』では、曜日チーフが書いたものを私が最終チェック、場合によっては修正を加えてオンエアした。

 また、ザッピングの流れをストップさせるテクニックとして、「ん? なんで?」、「あれ?なんか気になる」と思わせるというのがある。例えば、VTRでレポートしている出演者たちと、ワイプの中に映っているスタジオでそのVTRを見ている出演者がまったく同じ人たちだったら、「あれ?」と思うのではないか。通常の番組の作りは、ロケで取材してくる人たちと、スタジオでそれを見る人たちは別というのが多いはずだからだ。こんな風に、「なんで?」と思わせることができればしめたものなのだ。

 他にも、出演者によるトークの雰囲気、場面転換のテンポ、ロケ先の店舗セレクトなど、工夫できるポイント、試行錯誤できるポイントはいくらでもある。それらの組み合わせ方もさまざまだから数限りなくあると言っていい。週1放送のバラエティ番組などであれば複数回の分をまとめて収録するので、視聴率チェックをもとに修正しようとしても、それが放送されるのは1ヵ月以上後になってしまうこともあるが、『ヒルナンデス!』の場合であれば、幸いにも結果はオンエアの翌日に出る。わずかな動きでも思ったとおりの反応が得られれば取り入れ、思ったようにならなければそれ以降は取り入れない。その泥臭い繰り返しによって、一点突破の戦略精度を上げていく。

 こうして『ヒルナンデス!』は、F1・F2に最適化された番組パッケージとして完成度を上げていき、ガリバー番組『笑っていいとも』を追い詰めていく。最終的に、『ヒルナンデス!』がトップになるために私が繰り出した秘策は次回紹介しよう。

>>次回は10月9日(水)公開予定です。