投資には「長期投資神話」があります。短期で企業・業界を判断せず、長期でじっくり将来性を吟味しようというものですが、リーマンショック到来、英国のブレグジット騒動、米国でのトランプ大統領の登場といった世界的なリスクを、たとえば30年前から見通していた人など、いるでしょうか。

株式投資も不動産投資も
お勧めできない理由

 また、「分散投資神話」というものもある。リスク回避のために投資先を1つに限定せず、複数の投資先にお金を入れるという考え方ですが、これもリーマンショックのような経済危機が10年に1回程度の割合でやってくるご時世では、無意味です。ひとたび大きな危機が襲ってきたら、バスケットの中に入れた卵は、種類が違っていても全て割れてしまうのだから。

 そんなリスクの高い投資を、家庭を守るべき主婦や、PCの使い方がよくわからない高齢者がやって、どうするのでしょうか。

 また、今の金融機関は本当にあくどいです。銀行はマイナス金利などによる収益悪化に際し、様々な金融商品を少しでも多くのお客に買わせ、高い手数料を手にしようとしています。最近、さかんに宣伝しているNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)も、十分注意が必要です。

――借金がダメということは、住宅ローンもダメということですか。

 純粋に「この家に住みたい」という目的で、将来の返済計画をきっちり考えた上で住宅ローンを組むならいいと思いますが、実際は自分が住む不動産物件への「投資」と同じことです。不動産投資こそ、素人が絶対に手を出してはいけないもの。その意味では、資産形成の目的で自宅を購入し、住宅ローンを組むような考えは、持つべきではありません。

 ちなみに、素人がやってはいけない不動産投資の最たるものが、自分が住むわけでもない物件をローンで購入し、入居者を募って賃料を得ようとするマンション投資です。私も以前、自分でやって失敗したことがありますが、賃料収入が安定しないことが多く、ローンを自腹で返済していく状態が続きました。そして、ようやくローンを完済して自分のものになったときには、建物が劣化して何の資産価値もなくなっていた。自分で実際にやってみて、「儲かる理由がない」ということがわかったのです。