サウジアラビアは、これまで認めていなかった外国からの旅行者を受け入れる方針を明らかにした。外国人訪問者に対する規制緩和は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が主導する石油依存型経済からの脱却に向けた取り組みの一環。サウジ当局は27日、外国人への観光査証(ビザ)の発給を始めると明らかにした。現在ビザの発給は、イスラム教巡礼者やビジネス目的、外交関係者、出稼ぎ労働者とその家族などに限られる。サウジ観光国家遺産委員会のアフマド・アルハティーブ委員長は「サウジを世界の旅行者に開放するのは、わが国にとって歴史的瞬間だ」と述べた。政府は同日中にビザの詳細を発表する見通し。サウジ当局は、国内総生産(GDP)に占める観光の割合を現在の3%から2030年までに最大10%に拡大する目標を掲げる。雇用創出につながる国内外からの大型投資も呼び込みたい考えで、インフラの改良や文化・エンターテインメント地区の開発を目指す。