周囲を気にせず快適に作業が可能
しかし、普及は難しい…?

 実際に1人用ボックス席がある店舗に足を運んでみると、確かに、席そのものの配置と、目線の高さのパーティションのおかげで、作業に没頭することができた。また、結構な大荷物で来店したのだが、足元の荷物置きにすべてを置くことができたので、机上には、ドリンクバーのコップ2つと、ピザのお皿、それからPCにスマホを広げても余裕があった。

 しかし、気になる点もいくつかある。まず、Wi-Fiが不安定な点だ。これは、Wi-Fiとパソコンの相性や、店の立地(筆者が訪れた店舗が地下にあったため)も関係しているのかもしれないが、接続が頻繁に切れてしまうのはいささかストレスを感じてしまう。とはいえ、すかいらーくグループの Wi-Fiは7月25日にリニューアルされ、認証がワンタップ化し、時間も無制限で利用可能になるなど、簡便化が進んでいる。安定したネット環境が重要なノマドワーカーは自前のWi-Fiを持ち歩く方が安心できるかもしれないが、数十分滞在するだけなら申し分なく快適といえるだろう。

 むしろ最大のネックは、座席数が少ないことだ。そもそも設置店舗が少ない上、今回筆者が訪れたいくつかの店舗は、3~5席程度のところがほとんど。時間帯によっては満席で、いつ空くかも分からない状況だった。

 ノマドワーカーにとって使い勝手も良く、集中でき、そのうえコスパも良好なことは素晴らしいが、「行けば席が必ずある」という状況でなければ、移動時間や待ち時間がロスタイムとなってしまう。実際に筆者も、最初に訪れた店舗が満席で、その後訪れた店舗でも数十分待ってから案内された。

 この座席数の問題さえ解決されれば、「ガスト」や「ジョナサン」の1人用ボックス席はノマドワーカーにとって最高のノマドスポットとなり得るが、現実問題としては難しそうだ。北浦さんは今後の展開についてこう語る。

「週末になるとご家族連れでの来店が増えるなど、お客様の層が平日と異なりますので、平日用と週末用で、席の配置を柔軟に組み替えられる店内レイアウトを進めています。お客様のご要望や、ご利用シーンに応じて今後も改善を重ねていきたいと考えておりますので、ニーズがある店舗には導入を検討してまいりますが、今のところは全店に1人用ボックス席を設置する、といった予定はございません」

 1人用ボックス席という“天国”の普及には、まだまだハードルが高いようである。