【バロンズ】IPO市場の修正進む、成否の鍵はPhoto:Reuters

合理的に振る舞いだしたIPO市場

 新規上場企業が歴史的な規模の資本調達を行った上半期に続き、いたるところで修正の兆候が見られている。フロリダ大学で新規株式公開(IPO)市場を追跡するジェイ・リッター教授によると、今年のIPO銘柄は公開日の株価上昇率が平均25%と、2000年以来最も高くなっている。しかし、IPO銘柄にのみ投資する上場投資信託(ETF)のルネサンスIPO ETF(IPO)は、今年上半期に急上昇した後、7月下旬から15%下落している。

 IPOへの失望をめぐるニュースが出回る一方、より広範な傾向として、投資家はより選択的になっている。それは誰にとっても良いことだ。IPOに関するコンサルティング会社、クラスVグループの創業者であるリズ・バイヤー氏は、「最近、多くのノイズや直接上場をめぐる騒ぎが起こっている。しかし、一番大事なのはファンダメンタルズが変わっていないことだ。投資家は企業、将来見通し、投資機会を提供されている価格を分析する。このことは、私がこの業界に入って以来変わっていない」と述べる。

 IPOを追跡するIPOScoop.comによると、2019年には米国で114件のIPOがあり、うち63件でリターンがプラスになっている。