キサンガニ市はコンゴ川流通の集散地であり、熱帯雨林地域に位置する人口160万人のコンゴ民第三の都市である、コンゴ民主共和国の中部の中心土地、経済拠点、流通拠点である。古くから、この地域には北部からのアラブ商人らも訪れていたという。

日本の援助
国際緊急援助隊感染症対策チーム派遣

キンシャサにおいて防護衣研修キンシャサにおいて防護衣研修

 コンゴ民主共和国が「エボラ対策」にもがいている状況に、日本政府も緊急事態宣言への対応を決めた。

 国際緊急援助隊感染症対策チームは、2014~15年に西アフリカでのエボラ出血熱の流行を受けて、同様な感染症が流行する場合に、わが国がより積極的に国外での感染症の流行の対応、とりわけ人的支援を目的に、2015年10月に発足した。

 これまでもコンゴ民主共和国への2回の派遣を行ってきた。1回目は2016年の黄熱病対策であり、2回目は、2018年の赤道州でのエボラ出血熱対策である。

 3回目となる今回は、2019年8月11日に7人の調査チームが首都キンシャサに到着、首都キンシャサおよびチョポ州キサンガニ市においての調査活動を行った。コンゴ民保健省およびチョポ州保健局、WHOなどとの協議を行った後、緊急の対応を行うこととなった。

 他州での防災対策(Preparedness)が最優先ということで、キンシャサ市においては空港の検疫官、病院の医療従事者等へのエボラのための感染防御などの研修、キサンガニ市においては検疫官、医療従事者へのトレーニング、流行地からの主要道路における検疫場の設置、病院や保健センターの改善などの活動を実施した。

さらなる拡大の可能性と
今後の対策

キサンガニにおいて防護衣研修キサンガニにおいて防護衣研修

 9月中旬現在、その後のゴマ市での発生もなく小康状態を保っているものの、毎日の症例数に減少傾向は見られない。ゴマ市での症例数の増加、さらにチョポ州などの隣接州での発生、隣国のルワンダ、ウガンダ、ブルンジでの発生を何とか予防する必要がある。最大の懸念であるキンシャサ市での症例は出ていないが油断はできない。

 これまでの1年以上のエボラとの戦いの中でさまざまな試みがなされ、分かってきたこともあり、これに沿って新しい戦略として検討すべきである。

 第1の課題であり大事なことは、いまだに全ての患者を把握できていないことである。いまだに20~30%の患者は、死亡した後に報告されている。