9月の米失業率は3.5%と、1969年12月以来の水準に低下した。労働者にとっては間違いなく朗報だが、エコノミストは失業率がどこまで下がり、どの程度続くのか、頭をかかえている。従来の経済理論では、失業率が下がれば、いずれは賃金と物価を押し上げるとされてきた。だが、米景気の拡大局面が11年目に入る中、失業率は下がり続ける一方、前年同月比のインフレ率は連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を下回ったままだ。