米保健当局は2つの健康上の危機、すなわち不可解な肺疾患の多発と電子たばこを使う10代の若者の急増に直面するなか、電子たばこ製品の無秩序に広がる闇市場への対応に苦慮している。電子たばこの代名詞にもなっている最大手ジュール・ラブズは、ニコチン入りリキッドのみを手がけているが、それ以外にも数百種類のブランドの製品――ニコチンのほか、大麻由来の成分や他の物質を含むもの――がオンラインや電子たばこ専門店、コンビニエンスストア、医療用マリフアナ(大麻)薬局などで販売されている。その多くはジュール社の吸入器に対応しているが、同社はそれらを承認していない。電子たばこ関連の疾患は、単一の製品や成分が原因として特定されたわけではないが、すでに1000人余りの患者が確認され、関連の疑われる死亡例が少なくとも19ある。多くの患者は電子たばこのカートリッジを非公式なルート(友人や違法ディーラー、路上など)で購入し、マリフアナの主な有効成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)入りだったと報告している。