サムスン電子の業績悪化が鮮明化Photo:EPA=JIJI

サムスン電子の
業績悪化傾向が鮮明化

 韓国最大の企業、サムスン電子の業績悪化傾向が一段と鮮明化している。10月8日、同社の発表によると7~9月期の営業利益は前年同期比で56%減少した(速報値)。中身を見ると、営業利益の6割程度を占める半導体事業は、世界的な市況悪化から減益続きだ。スマートフォン事業も競争力の低下が明確になっている。今後、同社が“新しい戦略”を執行し、新しい収益の柱を育成できるかどうかが問題になる。

 これまで、サムスン電子は政府の支援もあり、経済状況が悪化する場合でも大規模な設備投資を積極的に行ってきた。この“逆張り”の経営戦略が、同社の半導体事業の成長を支えた要因の一つとみられる。

 現在、サムスン電子はこの発想に基づき、生産能力増強に積極的に取り組んでいる。一方、ライバル企業は、どちらかというと生産能力の調整に動いている。

 その戦略の違いは、サムスン電子の将来に影響を与えるだろう。現時点で考えると、サムスン電子のこれまでの逆張り的な戦略が期待された効果を生むか否かについては不透明な部分もある。