一番参ったのは、飲み会の席で食べられない食材を無理やり食べさせられたこと。教師のいじめ報道と同じで、1人が羽交い締めしてもう1人の上司が口元に食べ物を持ってきて。さすがに口をこじ開けられることはなかったですが、抑えつけられる不快感は半端なかったです。

 私の場合は単に苦手というだけだからよかったものの、同僚の中にはアレルギーの出る食材を食べさせられそうになった人もいました。それはさすがに一部が止めたけれど、食べさせようとした上司は深刻に捉えていない様子で怖かったですね」

 皮膚が腫れたり、悪いときは死んでしまう可能性すらあるアレルギーショック。ひどいケースだが、その背景にあったものをAさんはこう振り返る。

「社長が適当な人で、その下にいる役員に仕事を丸投げ。そのくせ、自分が口を出したいときだけきまぐれに口出しするんです。そのしわ寄せが役員から社員、社員から新入社員、新入社員からアルバイトへ流れる。

 それぞれストレスを抱えてギスギスしているのに、幹部が飲み会を開きたがるので、その場でばか騒ぎして発散みたいなことになっていたんだと思います。

 今の時代、SNSで告発したりするのもできますが、私の場合は会社が有名じゃないし、やっても話題にならないんじゃないかなと思いました」

後悔が募る……
告発できなかった理由

 Aさんは告発に踏み切れなかった理由をこのように言うが、Bさん(20代男性/制作会社勤務)の場合はちょっと事情が違う。

「チームの中でちょっと浮いた存在の人がいました。若手が多い中で、その人は40代後半。真面目なんですけど、周囲とうまくコミュニケーションが取れないことから、一部から煙たがられてしまっていて。

 会議でその人の発言中に目配せして笑うとか、その人のいないところで、その人の名前を動詞にして『○○る』っていうのがミスすることの隠語になっていたりとか、陰湿ないじめがありました。いじめの意図があるかどうかわかりづらい程度のものだったので、本人も反撃しづらかったと思います。

 結局、彼はしばらくして退社してしまったんですが、自分もわかっていて止められなかったので同罪だなと思っています」