筆者はゼルダシリーズを概ねプレーしてきており、広々した世界を愛馬と駆け回る「冒険している感じ」が、以前から好きだったが、オープンワールドになって冒険感が何倍にも増した。

 遠くにかすんで見える背景のような山は近付けば巨大で、ちゃんと登頂できるようになっている。遠くの空に流れ星のようなものが見えたので追っていき、落下地点の周辺を捜索するとそれらしきものが落ちている。舞台となる広大なマップの各所にユーザーの好奇心をくすぐる仕掛けが散りばめられていて、徘徊するだけで飽きない、それがこの『ブレス オブ ザ ワイルド』であった。

「所謂リーマンと
呼ばれる社会人です」で始まる

 さて、同タイトルへの予備知識を知ったところで感動の嵐を呼んだレビューについてだが、タイトルが「いつもと同じつまらない景色が違ってみえる。」とあって、「所謂リーマンと呼ばれる社会人です」と本文が始まる。

 仕事で社内、社外の人に頭を下げ、連日残業し、帰宅すれば疲労困憊して食事を取らずに寝てしまう。何かへのいら立ちと焦りは募り、自分の人生に疑問を感じる日々。そんなある日、ニンテンドースイッチが店頭販売されているのを見て、「ただビール片手に、つまらなければ売ればいいと思って本体とゼルダを購入した」そうである。

「出勤日だった昨日、電車の窓から見えた名前も知らない山を見て、『登れそう』と思った瞬間、涙が溢れて止まらなかった。
(中略)
時間に追われ、現状維持の為に憎まれてでも日々併走するリーマン仲間にこそ薦めたい。
(中略)
同世代の俺達は明日を凌ぐために日々病んでいる。だが人生に失望しないでくれ。こんな所に、俺が望んでいた冒険があったんだと。」

 これがこのユーザーのゲームに対するおおまかな感想で、この他にこのゲームがきっかけで親に大切に育てられてきたのに気付いたことや、任天堂への感謝がつづられている。今筆者もこのレビューを読み返していて涙が出てきたのだが、原文にはそれくらいの迫力と熱量があるので興味がある方はぜひ検索なりして一読するのをおすすめしたい。

 なおAmazonのレビューには、他のユーザーがそのコメントを評価する「役に立った」ボタンがあるが、これが異例の3万6000を超える「役に立った」を獲得している。

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