もちろん勉強しなければいけないことが出てきたり、本人が積極的に学び直したいことがでてきたりすることもあると思いますが、それが仕事の100%になってしまっては、つらくなります。私見ですが、新たに勉強する、身につけることは35%くらいが上限で、残りの65%くらいは今までやってきたことがおのずと生きるくらいのバランスがちょうどよいと思います。

 これまで蓄積してきたものを新しい職場に行って発揮することで周りに価値を提供しつつ、新たな環境ならではの学びや経験をキャリアに付け加えていく。35歳以上の転職はそのような形にする必要があると思います。

35歳からの転職成功のカギは
「自分は何で役立てるか」を考えること

 これは単純に同じ業種、業界に転職せよという話ではありません。重要なのは、即戦力としてこれまでのキャリアの蓄積を生かす部分と、新たに学ぶ部分のバランスが適切になっていることです。

 たとえば、パッケージソフト会社の事業部長をやっていた人がクラウドサービスの会社に転職し、前職で築いたネットワークを活用してどんどん受注を獲得する一方、マネジャーとして前職よりも大きな組織を動かす新たなチャレンジに取り組む、というように。

 40歳を過ぎてからの転職でうまくいっている人を見ていると、このバランスがうまくとれている人が多いと感じます。

 では、これまでの蓄積を生かせる仕事かどうかを判断するにはどうすればよいかといえば、転職先候補の会社を調べたり面接を受けたりするときに、「自分は何をやりたいか」というより、「自分の何をもってお役に立てるのか」という視点で見ていくことです。

 もちろん、自分が強烈にやりたいことがあって転職を考えているなら、それができる会社や職場を探せばよいでしょう。しかし30代半ばを超え、強烈にやりたいことがあるわけではないのに「自分がやりたいことは何だろう」と考え続けているのなら、「自分は何で役に立てるだろうか」という発想に切り替えて、そこに集中したほうがよいと思います。

 よい意味で、「諦める」ことも必要なのです。