東京都目黒区で当時5歳だった船戸結愛ちゃんを虐待死させたとして、保護責任者遺棄致死罪などに問われた父親の雄大被告(34)の裁判員裁判判決公判が15日、東京地裁で開かれた東京都目黒区で当時5歳だった船戸結愛ちゃんを虐待死させたとして、保護責任者遺棄致死罪などに問われた父親の雄大被告(34)の裁判員裁判判決公判が15日、東京地裁で開かれた Photo:PIXTA

東京都目黒区で当時5歳だった船戸結愛ちゃんを虐待死させたとして、保護責任者遺棄致死罪などに問われた父親の雄大被告(34)の裁判員裁判判決公判が15日、東京地裁で開かれ、守下実裁判長は懲役13年を言い渡した。結愛ちゃんの「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」などと記したノートの内容が明らかにされ、世間に衝撃を与えた事件。母親の優里被告(27)も東京地裁で懲役8年の実刑判決を受け、控訴している。雄大被告の公判では元妻の優里被告(事件後に離婚)が証人として出廷したが、DV(家庭内暴力)を受け続けていたため「怖い」とおびえる様子も見られた。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

なぜ結愛ちゃんは死んだのか?

 判決理由で守下裁判長は「食事の制限や暴力は『しつけ』の観点からはかけ離れており、(一連の行為は)自らの感情に任せた理不尽なものだった」と指摘した。

  検察側は7日、論告求刑公判で「1ヵ月以上にわたり飢えの苦しみを与え、逃げ場のない被害者をいじめ抜いた犯行の悪質性は比類なく重い」などとして、懲役18年を求刑していた。

 判決によると、雄大被告は昨年1月下旬から、結愛ちゃんに十分な食事を与えず、同2月下旬にはシャワーで冷水をかけたり、顔を何度も殴ったりしてけがをさせた。

 そして、極度に衰弱していたのに虐待の発覚を恐れて医療措置を受けさせず、同3月2日に肺炎による敗血症で死亡させた。