【北京】米国企業が中国で直面する問題は政治論争だけではない。創業7年の菓子メーカー、三只松鼠のような現地企業とも戦わなければならない。
ナッツやドライフルーツなどを手掛ける三只松鼠は、中国で最も人気のあるスナックメーカーの1つになった。同社の社名が表すリス3匹のキャラクターは大人気となり、現在そのテーマパークが建設されているほどだ。キャラクターの番組はネット上では数億人が視聴している。同社の製品が突然人気を博したことで、オレオのような米国を代表するスナックブランドは消費者の支持拡大に苦戦している。
これまで米国企業は長年にわたり、中国を新たな有望市場とみなしてきた。しかし今、新たな現実も見え始めている。中国の消費者は、欧米ブランドの窮地を救う役割を果たすつもりはないのだ。
家屋の内装を仕事とするガオ・ヤン氏(39)は、北京市内のショッピングモールを見て歩きながら「今では品質はあまり変わらなくなっている。それなら中国製品を買わない理由はない」と語った。
かつてはナイキやアディダスの熱烈なファンだったガオ氏は、北京を拠点とするスポーツ用品メーカー、李寧(リーニン)の製品ばかりを買うようになった。コンサルティング会社ヒル・アンド・ノウルトン・ストラテジーズの1998年の調査では、自国ブランドをクールだと考えている中国消費者はほとんどいなかった。