中国でもおひとり様消費が過熱、若者が「愛」を信じなくなった理由
中国では、交際している人がいない未婚の20~40歳の大卒の若者は76.4%に達しているという。なぜ彼らは独身貴族を続けるのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 中米貿易摩擦の影響もあって、今年第2四半期の中国の経済成長率は6.3%に減速した。「成長のエンジン」といわれる個人消費もやや減速気味だが、大きな落ち込みはなく、減速傾向にある中国経済にとって明るい要素となっている。

 中国政府は毎年全人代の文書に消費活性化を提起し、成長のエンジンとして期待を寄せいている。今の中国は、改革開放前のような単一の消費ではなく、多様化し、様々な形での消費スタイルが出てきている。独身の人が主な担い手となる“おひとりさま消費”もその1つだ。

独身が多くなっている中国
未婚の20~40歳大卒者は76.4%

 今、中国には独身者が2億2000万人いる。中国のクラシファイド広告大手58同城(58com)が公表した『2019年職場独身人材調査研究報告』によると、特に交際している人がいない未婚の20~40歳の大卒の若者は76.4%に達しているという。

 なかでも、IT企業に勤めている人の独身率は13.8%に上る。独身が多い理由は、IT業界は変化が激しく、顧客の満足するIT商品をつくるのにはスピードが必要なため、残業が多くなり、自由に使える時間がなくなるということだ。

 今年4月に「996(朝9時から夜9時までの勤務が6日間続く)」が話題になったが、「997(朝9時から夜9時までの勤務が7日間続く)」も珍しくなく、「7117(朝7時から夜11時までの勤務が7日間続く)」というパターンもある。

 IT業界に次いで独身が多いのは、金融、銀行、証券、人事、事務などに従事する人たちだ。同報告によると、北京などの「一線都市」の男性は残業が最も多く、60.9%の独身男性は毎週2日以上残業する。

 報告の調査対象となった多くの若者は、自分の時間をなるべく仕事に費やしたいと考えており、9割以上の若者が残業してもよいと答えている。その理由は、もっといい生活をしたいという上昇志向が強いからだ。

 報告によると、調査対象の独身者の平均月収は8836元だが、理想とする月収は1万1282元で、希望額と多少の開きがある。もっと高給のポストに就く、または条件のよい職場に転職するために“仕事人間”となる。そのため、新しい友人をつくるチャンスも少なくなり、携帯電話が“恋人”となる。