スポーツ界のスターを道徳の権威として取り上げるのは、普通は間違いだ。米プロバスケットボール協会(NBA)のレブロン・ジェームズ氏と香港デモのケースもそれに当たる。米国が犯した数々の罪について訓誡を垂れるジェームズ氏だが、中華人民共和国に対しては甘かった。NBAと中国の対立は、ヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャー(GM)であるダリル・モーリー氏が「自由のために戦え。香港と共に立ち上がろう」と4日にツイートしたことが発端だ。これに中国政府が激怒し、ロケッツおよび中国に多大な商業的利益があるNBAに報復した。NBAとチームオーナーや選手らのモーリー氏(後にツイートを削除)についての謝罪はうまくいかなかった。だが少なくともNBAコミッショナーのアダム・シルバー氏がようやく、米国の価値観のために立ち上がる声明を発表した。