絵を描くことに対する苦手意識が
80年以上も刷り込まれていた

 実は、私もそうでした。

 母は絵がとても上手だったのですが、娘の私は美術方面がからきしダメ。私自身はあまり気にしていなかったのだけれど、小学校の参観日のあと、こんなことを言われたの。

「あなたの話を聞いていたら、さぞ素晴らしい絵が飾ってあるだろうと思ったら、ダメねえ。歌が下手な人のことを音痴というから、あなたは『画痴』ね」

 もう、しょんぼりしました。母はきっと軽い気持ちで、冗談めかして言ったんでしょう。でも、「私は絵が下手なんだな」と心の深いところに刷り込まれちゃった。ですから、その言葉をかけられて80年以上経ったいまでも、絵を描いたり折り紙を折ったり、なにかをつくることには気が向きません。

 子どもは、親に否定された自分の能力を好きにはなれないものね。

 不用意な発言で、子どもの元気を削いでしまわないように。自分がそうだったからこそ、「あなたはダメ」のメッセージは口に出さないように気をつけてほしいなと思います。 親は忘れても、子どもは忘れないものですから。

(小俣幼児生活団 主任保育士 大川繁子)