「子どものIQはどうすれば伸びる?」「なぜ、ごっこ遊びがそんなに大事?」「外国語や科学、音楽への興味を育むには?」……脳科学から心理学、教育学まで最新リサーチを網羅し、いまの科学の常識で「これは絶対にいい!」と断言できる子育て法を厳選、網羅した『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55』が話題だ。「最もクールで、最もわかりやすい」「これからの子育ての新基準」と絶賛されている話題のベストセラーから、驚きのノウハウを紹介する。
脳の「実行機能」をパワーアップする
「自制心」は子どものうちに育みたい最も重要なスキルの1つです。
気の進まないこと(宿題など)を始めたり続けたりする能力、したいこと(テレビを観るなど)をやめる能力は、成功する人生をつくるための強力な武器になります。
このことは、非常に多くの研究により証明されています。テリー・モフィット博士が子ども1000人を32年にわたって調査した2011年の画期的な研究結果を、研究者のアデル・ダイヤモンドが次のように要約しています。
「3~11歳の時点で自制心が弱い(粘り強さが少ない、衝動性が高い、注意力が弱い)子どもは、同じころに自制心が強い子どもに比べて、30年後の健康度が低く、経済力が悪く、犯罪率が高い傾向がみられる(IQ、男女差、社会的地位などで調整)」
自制心は、「実行機能」(思考や行動を制御する認知システム)と呼ばれる脳内プロセスにより統括されています。
抑制力、作業記憶、注意力、認識の柔軟性が合わさって、問題解決、理由づけ、計画、報酬の遅延(ほしいものをもらうのを先延ばしにすること)ができるようになるのです。
自制心の強い生徒は、以下のことに優れています。
・課題に「集中」して完成させる能力
・話をよく聞き、「気をそらすものを無視する」能力
・新しい要素を「取り入れる」能力
「実行機能」は、生後1年のあいだに発達が始まり、完全に成熟するのは20代前半。長い時間をかけて育まれます。この「実行機能」を楽しく育む方法があります。