それから約2年が経過したいま、メディアとの意見交換も踏まえて、「フューチャー・レクサス」の方向性を、レクサスはさらに修正しようと考えている。

 定量的ではなく感性に訴えるブランドとして、原点回帰を目指す。

 実際、発売前の改良型「LS500h」をワインディング路を想定したテストコースで試走したが、走りの質感がグンと上がったことがすぐに分かった。街中を走行する速度域で、バッテリーのアシスト量を増やし、またエンジン回転数を毎分500回転程度下げ、静かで伸びやかな走りになった。タイヤやリアサスペンションを改良し、さらにシートの表皮の縫い位置を見直すなど繊細な部分も改良した。ゴロゴロ、ザラザラといった走りの雑味がとれた印象がある。

 地道な改良の積み重ねを、いわゆるマイナーチェンジではなく、より短い周期で行う「ALWAYS ON」という開発思想を貫いていく。これが、原点回帰を目指す基盤となる。

短い周期で商品改良を進める「ALWAYS ON」思想についてのプレゼン資料
短い周期で商品改良を進める「ALWAYS ON」思想についてのプレゼン資料 Photo by K.M.

電動化とFモデル強化
唯一無二の走り味を目指す 

 技術開発の観点で、次世代レクサスの柱となるのが電動化だ。

 新技術の市場導入は、2020年の新型EV発売がキックオフ。2020年代前半には次世代のハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、そして燃料電池車が、販売する国や地域の環境政策や市場動向を加味して適宜投入される。2025年には世界市場でレクサス全車種が電動化する計画だ。

 キーポイントとなるのが、トヨタの電動化戦略との差別化だ。

 トヨタグループ全体としては、中国やアメリカの一部州での電動車の台数規制、また欧州でのCO2総量規制などへの対応を進めている。

 その結果、規制対応の必要枠はトヨタブランドが担うこととなり、レクサスは燃費優先の電動化ではなく、走りの良さを重視する電動化を推進することができる。攻めの姿勢で電動化に臨めるのだ。

 そうしたレクサスの電動化志向を具現化したのが、今回の東京モーターショーで世界初公開した「LF-30 エレクトリファイド」だ。このクルマはあくまでも、ブランドイメージをシンボリックに表現しているが、量産を目指した技術に裏打ちされていることが、今回のワークショップに参加してみて、初めて分かった。

東京モーターショーに出展した、「LF-30 エレクトリファイド」
東京モーターショーに出展した、「LF-30 エレクトリファイド」 Photo by K.M.

「LF-30 エレクトリファイド」はEVを想定しており、現在開発中のインホイールモーターを装着。モーター制御を中核として、パワートレイン全体とブレーキなど駆動力全体のコントロール性と安心・安全さを高めると同時に、走りの深みとあやつり感を創出する。

 一方、ハイブリッド車については今回、前輪駆動車の「ES300h」をベースに、後輪軸に「e-アクスル」と呼ぶモーターを装着した四輪駆動車で試走した。リアのモーターアシストでは、トヨタが「E-Four」として量産しているが、これは雪道走行など、いわゆる生活四駆としての活用するもの。対して「e-アクスル」のモーター出力80~100kwと、日産「リーフ」など一般的なEVと同等レベルの駆動力を持つ。