人材サービス産業の市場規模9兆円のうち、求人サイトや紙媒体などの各種メディアによる「求人広告」は1割強を占める。全国求人情報協会の調べによると、2018年3月時点のメディア全体の月間広告掲載件数は前年同月比16%増の約150万件。メディア別に見ると、有料求人情報誌が同4%減の3万9000件、フリーペーパーが同10%減の7万3000件、求人サイトが同34%増の105万件となった。転職市場の活況ぶりがうかがえる数字である。

 だが、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」式にたくさんの求人サイトに登録することは禁物だ。かえって情報過多の状況に陥って志望先を絞り切れなくなり、望みにかなった企業や職種にたどり着けない場合もあり得る。

 以上のことから、私は登録するサイトは、多くても2つまでにすべきと考えている。その2つのサイトについては、一般的なサイトと、専門の業界や職種に特化したサイトを選ぶといい。例えば、各種の業界や職業を幅広く扱うサイトと、経理や技術者など専門者用のサイトを選ぶ。そのようなサイトに登録しつつ、人材紹介会社を活用するのだ。

【やってはいけない(2)】人材紹介会社を1社に絞る

 人材紹介会社については、懇切丁寧で面倒見のよい複数の会社に登録するとよいが、それでも見つからないときは、さらにほかの紹介会社にも当たって登録数を増やしていくのがおすすめだ。特に、年俸1000万円を超えるようなエグゼクティブクラスの転職については、求人サイトよりも紹介会社のほうが確実である。

 複数の人材紹介会社と付き合うべき理由として、とりわけ幹部社員の転職の場合には、採用企業側が慎重になることが挙げられる。幹部クラスの場合、転職希望者の学歴や社歴がしっかりしたものでなければ紹介しにくくなる。採用する企業側は、こういった人材についてはどうしても安全策をとる傾向にあるからだ。また、転職を10回していても優秀な人はいるだろうが、そういう人を企業は積極的には採用したがらない。