ホンダ幹部の強気の根拠は?

 20年3月期(見通し)の営業利益は前年同期比で363億円の減益となる。その増減要因をみてみると、利益の足を引っ張っているのは、販売台数減少などの売上変動構成差(1339億円のマイナス)と為替影響(1380 億円のマイナス)が大きい。倉石副社長が言うように、そのマイナスをコストダウン(1340 億円のプラス)、販売費及び一般管理費の削減(780億円のプラス)などで補う構造にはなっている。

 だが、為替影響は予断を許さない上、「売上変動構成差」は一過性の問題とは片付けられない。特に足を引っ張っているのが、インド市場の二輪・四輪の販売不振と、国内市場での四輪の納期・発売遅れだ。とりわけ後者は、電動パーキングブレーキの不具合により、ホンダの主力車種である新型「フィット」と軽自動車「N-WGN(ワゴン)」の発売延期・生産停止を招いており、国内販売見通しを5.5万台引き下げる大打撃だ。

 さらに、かねてホンダの構造的な課題となっている「四輪事業の低収益性」はいまだ解消されていない。

 19年3 月期第4四半期に、四輪事業が営業赤字に陥ってから低空飛行が続いており、この第2四半期の営業利益率は3.7%(6カ月間。第2四半期3カ月間は3.0%)だ。

 震災やタイ洪水という突発的な災害が原因ではなく、部品の不具合や為替に加えて、四輪事業の低収益体質という構造的な課題がある今こそ、ホンダは「有事」にあると言えるのではないか。

 決算会見では、売上高、当期純利益、販売台数のトリプル項目で過去最高を記録したトヨタ自動車と絡めた厳しい質問が飛んだ。「ホンダと(営業利益率9.2%を達成した)トヨタとの差はどこにあるのか──」。