OODAループは主体的思考法

OODAループにおいて世界観は最も重要な概念です。提唱者であるジョン・ボイドも、OODAループのプロセスで中心に位置付けられる「わかる」(Orient)によって形作っていくのが世界観「ビュー・オブ・ザ・ワールド」だと述べています。

一人ひとり異なる世界観を持っているので、同じ現象でもどう見るか、どう理解するかは異なります。そしてその違いが、判断と行動の差に表れるというわけです。

その意味でOODAループは、「判断する対象」にだけ注目する客観的思考法ではなく、「対象とその背景に対する認識(世界観)」をセットで理解しようとする主体的思考法だと言えます。

例えば、無理な注文ばかりをつける顧客を担当することになった営業マンがいるとしましょう。他者から評価されて出世することを働く目的としている人なら、できるだけ早く面倒な顧客の担当をはずれて、効率良く成果を上げられる方法を考えるはずです。善し悪しではなく、これも一つの世界観です。

一方、自分が提供するサービスの価値を心から信じていて、1人でも多くの顧客にそれを届けることでより良い社会を実現したいと考えている人なら、あらゆる方法で顧客の本意を理解して、不満や不安を解消したいと願うでしょう。

このように現実は1つでも、その顧客にどう向き合うのかは、仕事観や人生観によってまったく違ったものになります。