「〇〇とはこういうもの」が世界観
こうした混乱の背景にあるのは、猫や銀座、そしてライオンに関する私たちの理解です。
昼日中に銀座の真ん中を猫が歩く姿は、あまり見かけないものの、ありえない話ではない。ライオンは日本では動物園で飼育されているのみ。
このような、私たちが普通に持つ、猫や銀座やライオンとは「こういうものだ」という理解が、現実を正しく認識させることを困難にするのです。
この、「〇〇とはこういうものだ」という認識、見方が世界観です。猫と銀座とライオンについて取り立てて考えることはなくても、人生や仕事についてならば、誰でもその人なりの見方を持っています。生きることの意味をどう捉えているのか、何のために働き、仕事を通じてどのような価値を生み出したいのか。これらが人生観、仕事観であり、総称して世界観と言われるものです。
ほかにも死生観、社会観、恋愛観、結婚観、政治観、金銭観などは、意識して言葉にしなくても、何かしらのものを持っている人が多いのではないでしょうか。