この人事の裏に何があったのか。詳細については、「ダイヤモンド・オンライン」の7月9日配信記事「官邸と経産省が激しい綱引き、“大穴”事務次官決定の舞台裏」に譲るが、新原氏を推す“菅人事”を経産省が跳ね返したのである。

 自民党が旧民主党から政権を奪還したことに伴い、次官レースから脱落したと言われた新原氏は2014年7月に内閣府大臣官房審議官に就任すると、安倍政権の看板政策である働き方改革や幼児教育無償化などをまとめ上げた。

 ここで菅義偉官房長官にかわいがられ、いわゆる“菅印”が付いている。

 菊池さんとは内閣府大臣官房審議官として事務局を務めた「一億総活躍国民会議」で知り合った。「アイドルをモノにした感じで、同世代からは嫉妬されますよ」と政府関係者は軽口を叩いた後、「彼は事務次官就任に執念を燃やしていた。一発逆転を狙っていたはず」と付け加えた。

「新婚での事務次官就任、しかも妻があの菊池桃子となれば話題を集める。小泉進次郎と同じ流れで、首相官邸は大歓迎だろう」と別の政府関係者は言う。

 新原氏の結婚に戦々恐々としているのは、経産省だろう。「新原さんが事務次官になったら、辞表を叩きつける部下が何人出るか分からない」(経産省関係者)ほど、新原氏の強引な手腕に嫌気がさしている幹部が少なくないのだ。

 だからこそ、今年の事務次官人事で、経産省が“菅人事”を食い止めたといえる。しかし、新婚という明るい話題によって新原氏の形勢が逆転し、次官就任という“菅人事”が再び浮上する可能性が出てきた。