コモディティーから新興国株に至るまで、低迷していた資産に資金が流入し、幅広い市場で相場が上昇している。世界経済の見通しに明るさが見え始めている証拠だ。英ポンドは数年ぶりの安値から6%以上上昇。一方、中国人民元の急伸は広範な通貨を押し上げている。新興国株も年序盤の急落から盛り返し、原油価格の上昇はコモディティー高を誘発し、銅からコーヒーまであらゆる相場を浮揚させている。こうした背景には、今年に入っておおむね市場を押し下げていた諸問題が、予想より良好な結果に落ち着く兆しが見えていることがある。米中は追加関税の段階的撤廃で合意に近づきつつあるように見え(ドナルド・トランプ米大統領は8日に合意を否定)、世界の主要中銀は製造業界減速を抑えるため利下げを実施し、英国の無秩序な欧州連合(EU)離脱の可能性は遠のきつつある。